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練習生に対する心構え
社会人のグライダークラブは、空にあこがれるすべての人々に空を飛ぶたのしみを育てるために指導しているのである。空を通じて、人間性を育成するように努力することである。私たちは、たがいに、空によって健康になり、太い神経と、それと同時に慎重な細心さとを併せもたなければならない。
航空機という科学の塊りの機械を扱って、大自然のまっただ中を飛びまわることは、それ相当な科学知識を身につけなければならない。どんな人に対してもあたたかく接し、決して、自分の感情のはけ口を練習生に向けてはならない。「馬鹿」とか「チクショウ」などということばは、なんの役にも立たない。
スポーツ航空のパイロット教育の重点は、一人前のパイロットを能率的に作るという軍隊教育的のような単純なものではなく、もっと、多角的な目的を持っているということを、常に念頭にもつことである。練習生のなかには、単独飛行に対するあこがれは一向になく、ただ大空に浮んでいることで満足している人もいるので、それに応じた指導とテンポが必要なのである。
練習生の欠点を発見した場合
練習生とたった1度乗っただけでも、多くの欠点を発見する。しかし、その多くの欠点を1度に全部並べてしまうと、練習生の頭の中は混乱し、どれも中途半端に終わってしまう。それらの欠点のうち、いちばん大きな欠点。いちばん重要な欠点の一つを取り上げ、よく納得いくように説明する。
ときには、別の指導員が異なった内容の説明をすることもある。しかし、そ

1-10図

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(a) 知らないうちに、遠くまで歩いていく。

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(b) こごとやシゴキであこがれも消え、悪夢のような思い出が残る。

 

 

 

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